スクール・クラフトマンシップ 1期 募集要項
「私は、生徒たちみんなにクラフトマンになってほしいと望んでいます。正確で力強く、美しい作品をつくり上げる生徒たち。自分自身と仲間を大切にし、自らがつくる作品に誇りを持つ人になってほしいのです。」
ロン・バーガー『子どもの誇りに灯をともす』より
この度、米国サンディエゴのハイ・テック・ハイ教育大学院とのパートナーシップのもと、学校や学習環境を「公正(equity)」を軸に、誰しもが価値があると感じることができる学校文化を醸成するためのクラフトマンシップに着目した6ヶ月間の研修プログラムを開発しました。
「職人」というと、日本では、誇り・美意識をもって極めていく存在と認識されています。生徒たちにクラフトマンになってほしいのであれば、教師もクラフトマンとして、常に自己を磨き続ける必要があります。派手に短期的な結果を求めるのではなく、小さな改善を繰り返しながら、技を磨き、自身も作品(組織)も同時に変化していく。そんな学校文化の担い手になりませんか?
🔶本プログラムの背景
本プログラムは、ハイ・テック・ハイ教育大学院(以下ハイ・テック・ハイ=HTH)の修士課程の一つである「教育リーダーシップ(Educational leadership)」の教育過程の主要部分と、HTHの教員と第一線のPBLの研究者がリアルで集まり、2013年よりHTHにて毎年開催している国際的な教育カンファレンス(Deeper Learning Conference)の日本版を融合した形で実施します。
HTH教育大学院は、世界屈指のPBL校HTHが属する米国の教育機関です。HTHは、2000年に米国サンディエゴで設立されてから現在に至るまで、全16校に発展。2007年には、HTH教育大学院が発足しました。HTHの知見の集約と循環、教員養成、また研究機関として機能し、深い学びの実現を目指す教育者たちのハブとして、国内外の教育・組織改革に寄与しています。
完璧な学校、完璧な教育モデルはありません。しかし、エクセレンス(卓越性)を探究し続けること。そんな探究者としての姿勢(あり方)と、理論と実践の往還で培われた知見がHTH教育大学院にあります。そんなHTH教育大学院との協働を深めることで、双方にとってよき刺激と新たな気づきがあるはずだ、という確信から、本プログラムは生まれました。
🔶本プログラムですること
本プログラムでは、HTHの現役教員とHTH教育大学院の教授陣の知見を得ながら、深い学びとは何かを日本の社会的・教育的文脈に合わせて学び合い、研修生は、理論と現場での実践を行き来して、そのような環境をつくるための課題探究に取り組むことで、民主的で深い学びの場をつくるためのクラフトマンシップを磨きます。
《取り組む課題の例》
・実は、発言や意思決定を担うのは一部の生徒に偏っている。どうすれば教室の全ての生徒が自分の声を出しやすくなるだろうか。この偏りはどこから来ているのか。
・正直なところ、総合的な学習の時間や探究学習は「やらされている」と感じている生徒がいる。なぜだろうか。どうすれば「やらされてる感」を脱することができるだろうか。
・地域とのコラボレーションに課題を感じている。どうしたら双方にとって意味のあるものにできるだろうか。
・どうしたら保護者の声をきくことができるのだろうか。保護者の声をきくとは、一体どういうことなのだろうか。
・どうしたら職員室をより対話的な場に変えることができるのだろうか。
など、課題は研究生自らが発見し、特定します。
※ 本プログラムは学校・教育関係者だけではなく、企業やNPOの方なども参加できます。
🔶本研修の中核となる理論(1)ディーパー・ラーニング
中核となる理論はDeeper Learning(ディーパー・ラーニング)。米国発の教育実践モデルです。探究学習や体験学習などの理論をベースに実践を融合したもので、米国ではハーバードのハワード・ガードナー教授が深く関わるプロジェクト・ゼロの他、今回協働するハイ・テック・ハイが主要なプレイヤーです。
ディーパー・ラーニングが目指すのは、学習者が21世紀の仕事や市民生活において、自分らしく、他者とともに活き活きと創造的に生きるために必要な高度な思考力、学習への姿勢、協働スキルなどを育むこと。
そこには「つながり」の感覚があり、学習者のらしさ(identity)、学問的な内容の深い理解と熟達(mastery)、そして創造性(creativity)が交わるところで生まれる、有意義かつ没入感のある学びです。
この前提にあるのが「公正(equity)」です。「すべての生徒は生まれながらにして自分らしく生き、他者に貢献することができる能力と創造性を持っている」という信念によって支えられ、学び場が民主的であることで学びは深まります。
🔶本研修の中核となる理論(2)CI (継続的改善)
HTHが設立から25年が経った今でも魅力的なのは、絶えず変化している、ということ。小さな改善を繰り返しながら、前進している、ということ。その在り方を支えているのは変化にオープンな「マインドセット」と、「Continous Improvement(継続的改善)」です。
Continuous Improvement (以下、CI)は、常に小さな改善を積み重ねて、より良い成果や効率を追求していくための実践的理論です。起源は日本の「改善(Kaizen)」にあります。ポイントは、「日々の小さな工夫や見直し」を継続すること。組織全体の文化として根付き、全員参加での改善活動が重視されます。
そのCIが教育分野で応用され始めたのは2000年代以降。教育の世界でも改善サイクルやデータに基づく意思決定(Data-Driven Decision Making)が注目され始め、HTH教育大学院及びHTHの全キャンパスでもCIを取り入れています。HTHは、CIを「現場の声に基づき、小さな変化を繰り返しながら、教育の質と公正性を継続的に高めていく実践的アプローチ」として位置付け、「教育の公正性 」と「当事者の声(生徒・教員・保護者など)」を中心に据え、現場が主体的に課題を解決していくプロセスとして活用しています。
🔶こんな方におすすめです。
・探究を学校で取り組んでいるが、まだまだ課題山積だ
・HTH大学院の教員とHTHの現役教員から直接学んでみたい
・学校文化を課題解決プロジェクトとして自ら変革させたい
・学校組織として探究を根付かせ、継続的に改善していきたい
・民主的で、深い学びのあり方を学習者として学びたい
・自分の願いと違和感をもっと大事にしたい
🔶スクール・クラフトマンの技(本研修で身につける技)
本研修は以下の要素と方法論で進みながら、それぞれのクラフトマンシップを五つの観点(根・共・磨・歓・響)から磨いていきます。
1)根:Conditions for Deeper Learning
深い学びを醸成するために必要なコンディションを考える
2)共:Democratize Learning
民主的な学び場について、またその意義について考える
3)磨:Continuous Improvement(CI)
「継続的改善」の理論を軸に、課題探究に取り組む
4)歓:Deeper Learning Conference
教育カンファレンスに参加することで、ネットワークを広げる
5)響:Presentations of Learning
学びの集大成として、自分の教育者としてのあり方について学んだこと、また今後の展望について自分の言葉で語る

ハイ・テック・ハイ大学院の教員が直接担当します(日本語訳つき)

ミシェル・プレジャー博士
HTH教育大学院教授 / Living for Liberation創設者
学校における多様性・公正性・包摂性の実現を目指す解放教育の専門家。HTH教育大学院で教鞭を取りつつ、国内外での講演活動に従事。
カリフォルニア大学(教育学博士)

ジョン・サントス氏
HTH専任教員、HTH教育大学院講師
HTH創設期から20年以上、HTHで生物学と環境科学の教鞭をとる。HTH教育大学院でDeeperLearning担当。
UCサンディエゴ校(生物学学士)
HTH教育大学院 (教育学修士)

マリ・ジョーンズ氏
HTH教育大学院 Deeper Learning Hub(ディレクター)
HTH教育大学院 Center for Research on Equity and Innovation(ファシリテーター)
12年間教員として初等教育に携わり、そのうちの8年間はHTH小学校にて従事。現在は、HTH教育大学院でDeeper Learning Hubのディレクターを務め、教職課程の学生には「教室文化の基礎」と「生徒中心の授業デザイン」を指導。
HTH教育大学院 (教育学修士) UCサンディエゴ校 (教育学修士)
ファシリテーター(兼通訳)・共同開発者
芦田加奈(Deeper Learning Japanプロジェクトディレクター)
HTH教育大学院へ留学し、1年間HTHMesa校でレジデントとして従事。修了後は日本を拠点に、Deeper Learningを実現するための学びのあり方を多分野で探究中。
藤原さと(こたえのない学校 代表)
https://kotaenonai.org/member/fujiwara-sato/
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スクール・クラフトマンシップ 1期スケジュール
★印が付いている会は対面形式。それ以外はオンラインです。
※ 研修言語は基本的に日本語です。講師が英語話者の場合、日本語で逐次通訳をします。
(スマートフォンなどをご利用で画面に表全体が表示されない場合、表内を横にスクロールしながらご覧ください。)
| 第1回 9月15日(祝月) 午前 & 午後 場所: 東京・下北沢 SHIMOKITA COLLEGE | ★オリエンテーション | (午前)チームビルディング (午後)WS「声を探す」 「自己理解」「他者理解」に焦点を当て、教育者としての原体験とビジョンについて語り合う。 「継続的改善 (CI)」の位置付けと、研修の全体図の理解を深める。 ・ファシリテーター:芦田加奈、岡佑夏、寺中祥吾、藤原さと |
| 第2回 10月13日(祝月) 9AM-1PM ONLINE | Deeper Learning 101 【根】 | Deeper Learningの中でも、学習者の「エンゲージメント」に着目し、どのような条件が、 生徒の学びへのエンゲージメントを高め、深い学びを促すかについて考える。 ファシリテーター:John Santos |
| 第3回 10月30日(木) 7:30PM-9:30PM ONLINE | Deeper Learningと学びの民主化 【共】 | Deeper Learningの実践と、文化の醸成のための学び場の民主化について学ぶ。 「民主化」を進めるマインドセットとは? DEI(多様性、公正性、包摂性)の基礎 ファシリテーター:藤原さと |
| 第4回 11月29日(土) 3PM-5PM ONLINE | “場”の探究 【磨】 | 本セッションまでに、観察・インタビュー等の調査を自らの職場・活動先で各々実施。 現場の強みと伸びしろを把握する。 セッションでは、その調査で得た気づきを、得た気づきを仲間に共有し合い、 第三者の視点を入れながら現場理解を深める。 ファシリテーター:芦田加奈 |
| 第5回 12月13日(土) 9AM-1PM ONLINE | Continuous Improvement 101 【磨】 | 組織改革に有効な手法CI(継続的改善)を学ぶ。 この手法はHTHで使われており、主体的・協働的な学びを実現する組織へと改善するのに有効。 ・ファシリテーター:Mari Lim Jones ・通訳者:塚越悦子 |
| 第6回: 1月5日(月)~1月6日(火) 東京・調布市 ドルトン東京学園 | ★Deeper Learning Japan 【歓】 | 国際カンファレンス「DL Japan」。 Deep Diveという計5時間の対面でしかできない体験を通じて学び、 横のつながり(ネットワーク)も広げる。 対面形式。 主講師:Dr. Michelle Sadrena Pledger |
| 第7回: 1月23日(金) 7:30PM-9:30PM ONLINE | 課題の分析 【磨】 | この回までに、1ヶ月かけて、継続的改善を軸に、それぞれの現場で課題を分析。 分析の結果を発表し、フィードバックしあう。 ファシリテーター:芦田加奈 |
| 第8回: 2月14日(土) 3PM-5PM ONLINE | 変革のためのアイデア創出 【磨】 | 分析した課題に対して、変革につながるアイデアを創出する。 ファシリテーター:芦田加奈 |
| 第9回: 3月14日(土) 3PM-6PM ONLINE | Presentations of Learning・修了式 【響】 | 自分に関係するステークホルダーを呼び、学びを通じて、 深い学びを引き起こす教育者としての変容と今後の展望について発表する。 基本、オンラインでの実施。 ファシリテーター:芦田加奈、岡佑夏、寺中祥吾、藤原さと |
*内容はより良いものにするために、変化させながら進みます。
*第1回・第6回は東京にて対面形式でのリアル開催です。
第1回:SHIMOKITA COLLEGE
第6回:Deeper Learning Japan ドルトン東京学園におけるMichelle Pledger のDeep Dive (2日間)
※Deeper Learning JapanでのDeep Diveはプログラムの中核となる重要な回となるので参加が前提となります。
◆募集要項
定員:約30名
第一次募集〆切:2025年8月10日(日)
※応募者多数の場合は多様性を考慮した選考を行います。(経験年数や実績は問いません。基本的には申込が早い方と、参加日数の多いかたが優先になりますので、お早めにお申込みください)フォームの自動返信を必ずご確認ください。
※選考結果は、8月15日(金)までにメールにて行います。その後1週間以内にお振込みください。(クレジットカードでの入金は受け付けておりません)
※8月10日までに募集定員に満たない場合は2次募集を実施します。
※本研修は大学院ではないため、HTH教育大学院の修士号は得られませんが、HTH教育大学院のコアカリキュラムの一つを受講するイメージで捉えてください。
※Learning Creator’s Lab本科と連携しており、探究理論の講義部分の録画の視聴が可能です。
※研修中、事前課題や発表の機会があります。6ヶ月を通じたホームグループでの活動を進めますので、80%以上の出席。ご自身、また全体の学びの質を深めるためにも、真摯に取り組む意欲と姿勢を期待します。
※オンライン開催の日程では、Zoomを使用します。スマートフォンからの参加も可能ですが、ディスカッションに参加できるように、ビデオオン・音声オンにできるようにお願いします。また、外出先や移動中からの参加の場合は欠席扱いとなります。基本的にはお控えください。
◆価格 (初回特別価格)
研修費:148,000円(税込)
(LCL本科受講者特典:138,000円(税込))
※含まれているもの:
1)全9回の研修参加費
2)1月5-6日 Deeper Learning Japanカンファレンスの参加費(定価:50,000円相当を含みます。カンファレンスでは、Dr. Michelle S. Pledgerの基調講演や計5時間のDeep Diveなど、体験的に学び、ネットワークを広げることができます。)
3)Learning Creator’s Lab本科探究理論の講義部分の録画の視聴
※含まれていないもの
対面での研修参加にかかる交通費・宿泊費
※同じ組織から、複数の方のお申し込みを歓迎いたします。
※お支払いは、お申し込みの一週間後(その日が土日祝日の場合は翌平日)までに振込での入金をお願いしております(クレジットカード決済不可)申し込みフォームに入力後の自動返信メールを必ずご確認ください。
※本研修では改革に向けたアイデアを創出するところまでで、アイデアの実行は研修終了後の皆さんのアクションに委ねられています。そのため、修了後も、ラーニングコミュニティとして、交流できるようにと考えています。
※修了証をご希望の方はお出しすることは可能ですのでご相談ください。
◆お申し込み
第一次募集は終了いたしました!
たくさんのご応募ありがとうございました!
第一次〆切の募集期限は8月10日(日)で、結果は8月15日までにメールにてご連絡いたします。
◆Learning Creator’s Lab 利用規約
規約はこちらから必ずご確認ください。
<キャンセルポリシー>
お申し込み後のキャンセル料については以下のとおり請求させていただきます。
初回講座の2週間前からキャンセル料が発生いたします。
⇒2週間前昼12時以降 50%
⇒1週間前の昼12時以降 100%
来期以降の本プログラムや、LCL関連の他のプログラム等にもご興味がある方は、ぜひコチラからメルマガにご登録くださいませ。告知等は、メルマガで先行してご案内しております。
※こたえのない学校Facebookページ、Xツイッターでも、プログラムのご様子や代表藤原のブログ更新等のご案内を発信しております。
◆よくある質問
Q1. 教員でなくても参加できますか?
ーはい、もちろんです。本研修はContinous Improvement(継続的改善)という理論を用いて、学校の組織改善を導くクラフトマンシップに着目していますが、本理論は学校組織だけでなく、あらゆる組織に有益です。したがって、本研修の内容にご関心と共感を覚えた方であれば、教員また教育に直接関わるお仕事をされていないとしても、ぜひご参加いただきたいです。
Q2. 大学生・大学院生も参加できますか?
ーはい、参加できます。ただし、何かしらご自身の実践の経験や持ち場がないとディスカッションや課題探究は難しいと思います。お申し込み前に個別にご相談ください。
Q3. 英語が苦手です。それでも参加できますか?
ーもちろんです!HTHの教員によるセッションはオンラインで2回。カンファレンスでも、キーノートスピーチ(主講演)があり、それらは英語ですが、日本語での逐次通訳をつけます。何事もトライ!という精神で是非ご参加ください。
Q4. 変革のための課題探究をし、アイデアを創出するとありますが、その後のフォローアップの機会はありますか?
ーはい、検討中です。本研修は時間の都合上、アイデアを創出し、発表するところまでしか扱えませんが、実際にそれに取り組むことをおすすめしたいですし、その過程の支援も何らかの形で実現できたらと考えています。
芦田加奈(Deeper Learning Japanプロジェクトディレクター)からのメッセージ
深い学びとは、そもそも何でしょう。ある教育者はこう表現していました。
“Learning that is not surface-level.”
「それは、表面的ではない学び」
現代の先進国に生きる私たちは、スマートフォンひとつで、たくさんのこたえを瞬時に得られる、表面的には便利な社会に生きています。それでも、人生という旅路では、こたえがない問いに出会し、こたえは一つではないことも知ります。そのような出会いの中で、自分らしく、喜びを携えて旅を続けていくことが「生きる」ということであれば、どうしたらそのように生きることができるだろうか。これは、年齢に関係なく、人の深いところにある最大の関心事であるように思います。
この関心事を子どもに焦点を当てて考える時、どのようにしたら子どもを社会全体で育み、支えることができるだろうか、という問いが浮かびます。大人には、発達段階にある子どもたちが、すこやかに生きるための力を育むように多方面から配慮し、支援する義務が与えられており、子どもにはそれらを受ける権利があります。
そんな子どもたちが1日の大半を過ごす学校とは、そのような「育ちのエコシステム」(1)の中核の一つであり、子どもの人格と人生に深く関わる場です。そのような学校で、子どもの成長に日々携わる教師とは、どんな役割でしょうか。
ブラジルの教育者パウロ・フレイレは「教師は芸術家である」(2)と表現していました。でも、その芸術とは「生徒を自分の型に当てはめる」のではなく、「生徒が“自己としてある”ことを可能にする」こと。これってとても大事だと思うのです。それを可能にするには、教室を出たら忘れてしまうような、表面的な学び、表面的な関与だけでは、十分に実現できないんじゃないかなぁ、とも思います。
子どもが、学校にいたいと思えること。この世界にいたい、関わりたいと思えること。
それには、教師や仲間の介在と関わりによって、自分はどんな人間かを知り、自分らしく生きるのに必要な知識と力を得て、他者そして社会とのつながりを実感できるような深い学びが必要です。
そのような深い学びを、どうしたら子どもと。そして、同僚、保護者、地域とともにつくることができるのでしょうか。
ここで鍵を握るのが、そのような学びを尊ぶ文化。そして、そのような場へと日々、つくり変えていくためのクラフトマンシップだと考えています。ここで言う「クラフトマンシップ」とは、教育者としての「スキル」だけではない「あり方(Being)」であり、日々の実践そのものです。それは、経験年数や肩書きでは決まりません。一人ひとりが育み、育まれ、磨き続けていく「生きた姿勢」のようなものだと思います。
本研修では、6ヶ月間かけて、「教育者として、本当はこうありたい」という願いと違和感に正直に向き合い、学校がより民主的で、子どもの、また私たち大人の誇りをも灯がともされる場になるために必要なクラフトマンシップを、HTHの知見を得ながら磨きます。
この研修は、今年が初めての試みです。
だからこそ、試行錯誤しながら、ともに深い学びをつくっていく仲間を求めています。「こんな学びができたらいいのに」と感じてきた「違和感」や「願い」こそが、きっと出発点。その出発点に立ち、小さな、でも確かな変化につながる一歩を一緒に見つけませんか?
芦田加奈
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(1)山口有紗氏の講演「ウェルビーイングな社会を作る、最初の一歩」(2025年6月29日@ひびらぼ主催「Unnamed CARE Forum- “名前のつかないケア”を巡る7日間-」より)
(2) Myles Horton、Paulo Freire、Brenda Bell、John Gaventa による対話集『We Make the Road by Walking: Conversations on Education and Social Change』(1990年、Temple University Press)
<主催>
一般社団法人こたえのない学校
Deeper Learning Japan
<パートナー>
High Tech High Graduate School of EDUCATION
Deeper Learning Global

