カリキュラム・マネジメントやカリキュラムデザイン(教育課程編成)と聞くと、それだけで「やらなければならないことだらけ」「負担が増える」というイメージはないでしょうか? 今、世界的に教師が努力すればするほど学習内容が増えてしまうという問題が世界中で起きており、カリキュラムオーバーロードと言われています。
さまざまなコンテンツ、コンピテンシーを身につけさせてあげたいと思うがあまり、逆に「詰めこみ」になってしまうのです。しかし、こうした負荷の大きいカリキュラムは教師にとって負担なばかりではなく、児童・生徒にとっても学びが薄く、効果の低いものになってしまう可能性があります。
「カリキュラム工作室」(オンライン講座)では、概念や学習材に基づく探究とカリキュラム研究の基礎的・応用的な仕組みを学び、学習過程を構造化するスキルを身につけます。そして「学び」の意味を問い続けることで、児童・生徒・教員の負担を減らしながらも真に意味のある探究カリキュラムを作っていきます。
具体的にはたった一つの概念、学習材を主軸に置くことで、授業をスリム化していきます。そうすることで、一人ひとりの児童・生徒、教員が持っている異なるコンピテンシーが概念や学習材を中心に互いに紐づいていく学びのプロセスを生み出すことができます。
ただ、このプロセスを生み出すためには概念や学習材を理解する学習観、教育観を自分の実践のなかでしっかり腑に落としていく時間、子どもたちが自らプロセスを生み出せるようになる時間をじっくりかけて、学習環境の一員としての教師とそれを支える学級/学年/学校文化を醸成していくことが必要になりますし、その持続的な実践のためには学級/教科担任教員一人でなく管理職、司書教諭、地域の人々の協力のもと学校ベースのカリキュラムデザインも必要になってきます。
よって、決して簡単なものだと言うつもりはありませんが、この工作室(workshop)は、失敗も成功も試行錯誤として許容される場所として、試行錯誤しながら自分のこれまで蓄積してきた学習観、教育観を参加者のみなさんと対話しつつ、再構成していく時間としていきたいと考えています。
また、一条校としてカリキュラムデザインを行う場合、学校教育施行規則などのカリキュラムの前提を踏まえつつ、学習指導要領を柔軟に引き算的に使うことは必須になりますので、その使い方に関しても適宜質問に応じてお伝えしていきたいと思います。
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◆ こんなかたにおすすめです。
・探究に取り組んでみたいけれど、大変そうで尻込みしてしまっている
・概念や学習材に基づく探究について、できるところから取り組んでみたい
・探究的なカリキュラムデザイン、マネジメントについて基礎から学びたい
・概念や学習材に基づく探究をすでに実践されている⽅の話を聴いてみたい
・概念や学習材に基づく探究の流れを、他の実践者と協働的に構想・検討してみたい
◆こんな⽅にはあまりおすすめできません……。
・明日すぐできる、お手軽な授業の秘訣や方法論が知りたい人
・知識をつなげていくことに好奇心を持って取り組んでいくことが苦手
・(人に褒められるような)格好のいいカリキュラムデザイン、マネジメントがしたい
・モヤモヤを抱えたり、⾃分と対⽴する考え⽅に触れたりすることが苦⼿
・⾃⾝が⾏っている実践以外の探究的な学びを受け⼊れることが苦⼿
<プログラム内容・スケジュール>
「カリキュラム工作室」第2期 期間:2022年11月〜2023年3月 土曜20:00-22:30(6ヶ月間)
全回オンラインにて実施
月1〜3回、およそ2週間の間隔を開けて整理編と工作編をそれぞれ実施します。
⑴整理編(全4回 反転講義+各回2時間半 11/12, 11/26, 12/10, 1/7)
反転動画の視聴と当日の授業事例の分析をもとに、カリキュラムデザインの道具を理解することを目標にした少人数グループでのワークショップを行います。
UNIT0 意図されたカリキュラム/学習されたカリキュラムの理解(「B問題」を事例に)
UNIT1 授業/カリキュラムデザインの理解(学習材に基づく探究の授業を事例に)
UNIT1-1 知識デザインの理解
UNIT1-2 学習デザインの理解
UNIT1-3 教授デザインの理解
⑵工作編(全4回 各回2時間半 1/21, 2/4, 2/18, 3/4)
概念と学習材に基づく探究カリキュラムを実際にデザインすることを目標に、少人数グループでのワークショップを行います。
UNIT2 概念と学習材に基づく探究カリキュラムデザインの道具を使う
UNIT2-1 単元タイトルと帰納的な概括(ジェネラライゼーション)を大まかに設定する
UNIT2-2 ウェビング:概括、学習材(トピック)、概念間のつながりを発見する
UNIT2-3 アンパッキング:概括から学習材(トピック)と概念を解きほぐす
UNIT2-4 オーダリング:概括の流れと範囲(知識/学習プロセス)を整える
UNIT2-5 マッピング:月ごとの単元の配列を整える
※上述のスケジュールは現時点で構成されたプランのため、参加者のみなさんとのやり取りに応じて変更する可能性があります。あらかじめご了承ください。
◆開催方法
Zoomを使用します。スマートフォンからの参加も可能ですが、対話の時間も多いため、PCや、大きめのタブレットからの参加をお勧めします。
※当日の講義部分については、各回終了後録画ビデオで配布します。欠席の場合はそちらを確認いただくことができます。
◆価格
64,900円(税抜参考 59,000円)
◆定員
24人
◆対象
学校教員・民間教育者・教育を学ぶ大学生(先着順)
※お支払いは、申し込み後一週間以内に振込もしくはPaypal(クレジットカード利用可)での入金をお願いしております。申し込みフォームに入力後の自動返信メールを必ずご確認ください。
◆講師
カリキュラム工作室担当:桐田敬介
専門は学校教育学・芸術教育哲学。大学の共同研究員として研究を進めつつ、個人事業主としてさまざまな学校・企業・法人・個人のカリキュラムデザインの裏方役を担当。探究的なカリキュラムのなかでは総合学習の材中心のカリキュラムが大好物。信州教育の隠れファン。
https://researchmap.jp/keisuke_kirita/
◆企画・サポート
工作見守り人:藤原さと
2013年に「概念をベースとした探究(Concept-based Inquiry)」に出会い、惚れ込み、小学生向けの探究プログラムを30以上開発実施してきた。教育者向けの研修でも概念をつかったプログラム構成を得意とする。さまざまな題材を組み合わせてプロジェクトを創るのが好き。
https://kotaenonai.org/member/fujiwara-sato/
◆申し込みはこちらからお願いします。
大変好評につき満席となりましたので、申し込みを締め切りました。
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