本気で学校改革を実現したい学校・教育者向けにSchools for Excellence-探究する学校のためのSEL(社会性と情動の学習)第3期をスタートします。
生徒・職員皆が対話に参加する形で学校運営をしているかえつ有明中・高等学校の佐野和之先生、東京大学大学院で教育実践による教師のあり方の変容を研究している金井達亮先生、チームビルディングの専門家で、子どもも大人も一人ひとりがつくり手になる学校作りをしている軽井沢風越学園の寺中祥吾さん、そして探究する学びの場づくりをしているこたえのない学校の藤原さとによる4人のチームで実施いたします。
当校では「探究する学び」の実践を求める先生向けにLearning Creator’s Labを6年に渡り実施してきました。しかし、個人単位で「探究」についての理解を深め、プロジェクトの進め方がわかっても、組織(学校)単位での持続的、且つ発展性のある実践の場がなければ十分にその意味を発揮できないことがありました。プロジェクト型学習は「探究する」心理的ベースが教師、そして生徒の中で育ち、お互いがお互いを信頼できなければ、その本質的な実施は非常に困難です。
今、世界各地ではプロジェクト型学習(PBL)の効果を最大限に発揮するためにSELを取り入れ、組織としての心理的安全性が確保された学校風土を作り上げようとする学校が増えています。
SELは、普及団体のCASELの定義によると、「教育と人の発達における統合的な領域であり、すべての若者と大人が、健全なアイデンティティを育み、自身の感情を適切に取扱い、個人と集団の目標を達成し、他者の感情を深く感じ取り支え合う関係を築き、維持し、責任のある思いやりのある決定をするための知識・技能・態度を獲得し、応用するプロセス」とされ、5領域(下図)が設定されています。Schools for Excellenceではこの5領域における実践が学校レベル、学級レベルでできるようになることを目指します。
【私たちからのメッセージ】
持続性のある本当の意味での組織変容のためには、その構成員一人ひとりが自分が本当にどのように生きたいのかについて意識的であり、それを言語化し、人にそれを伝えられることが必要です。そして、変容を継続するためには、一人ひとりが生きる道を探究する意志を持ち続けること、そして同僚とコラボレーションすることが必須です。
あなたが「ほんとう」にしたいことは何でしょうか?成し遂げたいことは何でしょうか?その真剣に探究する姿を見て、はじめて同僚も生徒も安心して「探究」することができます。
本当の意味での「コラボレーション」は心の奥底では「違う」と思っていてもそれを押しこめ、それを黙ったまま、組織の論理に従っている間は決して実現しません。
自分が「今」思っていることでよいので、少し勇気を出して、その気持ちを伝えることができることが第一歩です。その上で、組織としてそのようなことができる環境設定と「場」づくりをしていきます。そうした「場」はどのようにつくっていけばいいのでしょうか? 組織は形態ではありません。「文化」です。本研修では、新しい「文化」の担い手になるための「あり方」と「技術」を同時に学びます。
Schools for Excellence では組織・学校を本気で変えたいという気持ちを持ったメンバーが繋がるコミュニティをつくっていきます。前半はSELの概論、および「場」づくりのツールとしての共感的コミュニケーション(NVC)、フォーラム、マインドフルネスなどを理論と実践で学びます(※)。後半は「自分たちの学校を変容する」取り組みをスタートし、お互いにその取り組みに対してフィードバックをしながら、実践に進みます。
※マインドフルネスは、禅僧のティク・ナット・ハン氏が設立した「プラムビレッジ」(フランスやタイにある瞑想センター)のリトリートに継続的に参加し、またチベット仏教僧侶でダライ・ラマ法王のドクターでもあるバリー・カーズイン氏に学び瞑想実践を続けている佐野和之先生が毎回リードします。
※NVCは「非暴力コミュニケーション」と訳されることもありますが、マハトマ・ガンジーの非暴力運動に影響にヒントを得て、過酷な状況におかれてもなお人間らしくあり続ける言葉とコミュニケーションのスキルを開発したマーシャル・ローゼンバーグの考え方を当プログラムでは採用しています。
※フォーラムとは、参加者が円になって深く話をする場のことです。参加者は自己の内面を探究し、社会性と情動のスキルを駆使し、自己と世界のウエルビーイングの感度を高めます。全世界的に導入を進める企業や学校が増えており、様々な実践が報告されています。当プログラムでは、参加者同士が安心して自分を出し、つながりを深め、共に学ぶ仲間として支え合うことを意図しています。
◆ こんな方におすすめです。
・「主体的・対話的で深い学び」の実践を学校に広めたいが広まらない
・教員同士で対話をしても、続かない、本質的なものにならず、上すべりする
・心からやりたいことがあるのに、うまく声にできない、仲間がつくれない
・学校マネジメントと、現場教員の意識のギャップがあり改革が進まない
※1、2期生の声はこちらのアルムナイページからご確認いただけます。
※本プログラムは学校関係者だけではなく、企業やNPOの方なども参加できます。
※Learning Creator’s Lab本科と連携しており、探究理論の講義部分の録画の視聴が可能です。PBLとSEL両方学べます。
※プログラムスタート前に自分の組織のビジョンを書いていただく事前課題があります。
Schools for Excellence 2023(3期)スケジュール
第1回 4月23日(日) 8-12AM (オンライン) | イントロダクション チームビルディング | イントロダクション お互いを知る時間(ペアトーク) 自分の組織のビジョンのシェア |
第2回 5月14日(日) 8-12AM (オンライン) | SELの基礎と概論 NVC基礎 マインドフルネス基礎 | SEL概論:講義+シェアリング NVC/マインドフルネス初級実践 NVC:ただ聴く マインドフルネス:呼吸に意識をむける |
第3回 6月11日(日) 8-12AM (オンライン) | 組織改革1 安心安全な学校をつくる NVC中級1 マインドフルネス中級1 フォーラム初級1 | 安心安全な学校・組織を実現するために(講義・事例紹介+シェアリング) NVC/マインドフルネス中級実践 フォーラム 初級実践NVC:感情・ニーズとつながる マインドフルネス:自身の内面への気づき フォーラム:安全な場作り ※このタイミングで最終回に向けてのプロジェクト条件をお伝えします。 |
第4回 7月23日(日) 8-12AM (オンライン) | 組織改革2 リーダシップ1 共感の輪を広げる NVC中級2 マインドフルネス中級2 フォーラム中級1 | 学校組織の変革の広がり(講義・事例紹介+シェアリング) NVC/マインドフルネス/フォーラム 中級実践2 NVC:リクエストを出す・NVC意図理解 マインドフルネス:日常の中で実践する(食べる瞑想・歩く瞑想など) フォーラム:継続による場の深まりの体感 |
第5回 8月16日(水) 8-12AM (オンライン) | 組織改革3 リーダーシップ2 改革の火種となる | 自分自身が変革の種火になり続けることを決める。 自分の理想とする組織を共有するフォーラム 率直な感情の表出受け止め |
第6回 9月10日(日) 8-12AM (オンライン) | プロジェクト共有 実践チューニング リーダーとしての器 | リーダーとしての器を広げる 仲間同士でサポートをし合う。他者視点を入れることで,自分自身の理想のイメージを広げる。現在地を知り,自分自身の実践を継続する糧にする。他者をサポートすること、多様な具体例を知ることでリーダーとなっていく。 |
第7回: 10月22日(日) 10-15 (リアル) | プロジェクト 最終発表 | 自分の理想と組織の理想を考える 実践してきたことについての対話を通して,自分と組織の理想を探究する。 |
【講師】講師4名全員が基本的に毎回参加します。
【開催場所】オンライン(Zoom)とリアルのハイブリッドです。第7回のリアル開催は新型コロナウイルスの感染状況を勘案しながら最終的に判断いたします。途中休憩を一時間挟みます。開催場所は東京23区内もしくは23区内同等のアクセスのよい場所を予定しております。
◆募集要項
定員:約24名
※催行最低人数 14名。不催行の場合は初回(4月23日)の2週間前にご連絡いたします。
※組織改革、学校改革に本気で取り組みたいと考えている方(事前課題やプロジェクトを実施すること)
お支払いは、申し込み後一週間以内に振込での入金をお願いしております。申し込みフォームに入力後の自動返信メールを必ずご確認ください。
オンライン開催の日程では、Zoomを使用します。スマートフォンからの参加も可能ですが、ディスカッションに参加できるように、ビデオオン・音声オンにできるようにお願いします。また、外出先や移動中からの参加の場合は欠席扱いとなります。基本的にはお控えください。
参考図書をお申込み後にご案内します。強制するものではありませんが、できるだけお読みいただくことをおすすめいたします。
チームプロジェクトはZoomなどオンラインミーティングや、FacebookなどのSNSを使って進めることが中心となります。(事務局で講座開始前にFacebookにてグループを作成するため、アカウントをお持ちでない方はFacebookへご登録をお願いしております。)予めご了承くださいませ。登録などのサポートは適宜行います。
◆価格
私学教員・一般:165,000円(税込)
公立教員:135,000円(税込)
※同じ組織から、複数の方のお申し込みを推奨しています。
※お支払いは、お申し込みの一週間後(その日が土日祝日の場合は翌平日)までに振込での入金をお願いしております(クレジットカード決済不可)申し込みフォームに入力後の自動返信メールを必ずご確認ください。
※Schools for Excellenceはコミュニティとして運営します。学校改革は1年では終わらないため、終了後もSchools for Excellenceとして組織改革の相談に乗ります。また、終了後にアルムナイとして参画したり、リフレクションとして無料でリピート聴講が可能となります。また、本プログラムは持続可能性および独自性確保のため、助成金などは一切受けておりません。受講料はそのことも勘案してご判断ください。
※公立から私立または私立から公立への異動を予定されている方は、4月以降に一番可能性の高い内容でお申込みいただき、申込フォーム備考欄に異動予定についてご記入ください。(新所属先の具体名は都合が悪い場合はぼかして書いていただいてOKです)
※事前課題があります。難しいものではありませんが必ずご提出ください。
※修了証をご希望の方はお出しすることは可能ですので相談ください。
◆講師
佐野和之先生 かえつ有明中・高等学校 副校長
埼玉県私立中高一貫校での勤務を経て、2014年同校で「学ぶことの喜び」を追究する新クラスの立ち上げメンバーとして赴任。中学では様々なプログラムの体験を通じて、多様な思考スキルと表現方法を学ぶ「サイエンス科」、高校では内省と対話から自分たちに必要な学びの場を自らの力で創造する「プロジェクト科」など、「新しい学び」を展開している。また共感的コミュニケーションやU理論、マインドフルネスなど多岐にわたる分野から教育のあり方を模索し、先進的に実践している。「共感的コミュニケーション」や「パターンランゲ―ジ」などを使った教師間のチームビルディングの研修を実施している。
金井達亮先生 かえつ有明中・高等学校 プロジェクト科/東京大学大学院 教育学研究科 教職開発コース 博士後期課程
埼玉県の私立中高一貫校を経て、かえつ有明中学高等学校に赴任。同校で同僚とともに、高等部の「プロジェクト科」「社会総合」の授業をゼロからつくりあげた。また、教育活動のコツを言語化した「パターンランゲージ」の作成、アクティブラーニング入試の開発など、創造的な教師チームの中心的な役割を担った。学校内外でNVC(Nonviolent Communication)をベースにした共感的コミュニケーション、チームビルディング、パターンランゲージ、マインドフルネス、SDGs 2030などの講演および研修講師をしている。2018年に退職し、東京大学大学院教育学研究科に進学。研究分野は教師教育。
寺中祥吾氏 軽井沢風越学園 副校長
1984年、長崎県出身。株式会社プロジェクトアドベンチャージャパン、流通経済大学スポーツ健康科学部助教を経て、2020年度の開校と同時に幼稚園から始まる12年間の混在校、軽井沢風越学園に参画。風越学園が「子どももおとなもつくり手」「子どもも大人も学び続ける」という場所になっていくために、学校組織や仕事のデザイン、働き方、スタッフの学びとセルフケアなど複合的な視点から場づくり、土壌づくりに取り組んでいる。LCL本科では、ファシリテーション・チームビルディングを担当し、S4Eとの相補性についても実践を通して考えを深めていきたい。
藤原さと 一般社団法人こたえのない学校 代表理事
日本政策金融公庫にて中小企業事業融資に従事後、米国留学中に国際労働機関(ILO)でマイクロファイナンスのスキームを調査。ソニー(株)本社経営企画管理・戦略部門で、海外アライアンス業務に従事。長女出産後ヘルスケアコンサルタントとして医療機関再生、ミャンマー保健省と協働した現地乳がん検診事業立ち上げのリード等を行う。2012年度都内区立保育園父母会長。2014年に「こたえのない学校」を設立。2018年経産省 「未来の教室」事業で世界屈指のプロジェクト型学習を行う米ハイ・テック・ハイの教育プログラムを日本に導入。慶應義塾大学法学部政治学科卒・米国コーネル大学大学院公共政策学修士。著書に『探究する学びをつくる-社会とつながるプロジェクト型学習』(平凡社)
◆Learning Creator’s Lab 利用規約
規約はこちらから必ずご確認ください。
<キャンセルポリシー>
お申し込み後のキャンセル料については以下のとおり請求させていただきます。
初回講座の2週間前からキャンセル料が発生いたします。
⇒2週間前昼12時以降 50%
⇒1週間前の昼12時以降 100%
◆お申し込み
今期の募集は終了いたしました。
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<主催>
一般社団法人こたえのない学校